トリッコロール

2007-05-13後藤真希

通りすがったような気がした。雑踏。灰色で、少しく青みがかっていた。ここは、過去? そこはかとなく流れる「僕のいた景色感」。流れるのはころころとした音符で、キラキラとして弾むようなリズムだった。道、というのは、左右の両側に固まりがあることで、その中央には人の群れがあった。それは、都市ならば、世界のどこにいても同じで、そしてそれが村ならば、広い空間に点在する物体だった。広がった空は、イメージだ。青、雲、光る円。消えてみてほしい。僕を取り囲む三次元存在の点の集まりが一度に崩壊し、波の集まりになってほしい。波になれば、交われる。此れと彼れの境界もなくなる。存在とは、むなしい。つまりそれは、差異であって、鏡面だからだ。波になろう。波になれば、交われる。振り向いたら、変わった。後ろは、闇だった。光になろう、飛び越えよう。美しくなろう、立ち振る舞おう。浮かぼう。薄くなり、混ざろう、溶け込もう、一つになろう。そうしたら、すべての苦悩は消えそうな予感。逃げの予感。死の予感。通り雨。